ゆるキャラGP…ぐんまちゃんV

【金メダルを受け取り喜ぶぐんまちゃん(3日、中部国際空港で)】
全国のご当地キャラクターや企業キャラクターが人気を競う「ゆるキャラ®グランプリ2014」(オフィシャルメディアパートナー=読売新聞社)の結果発表が3日、中部国際空港(愛知県常滑市)で行われ、群馬県のマスコット「ぐんまちゃん」がグランプリに輝いた。
得票数は100万2505ポイントと、2位の「ふっかちゃん」(埼玉県深谷市)を17万ポイント近く引き離す圧勝で過去最多の全1699キャラの頂点に立った。12、13年と2年連続で3位だっただけに、関係者やファンは悲願達成に沸いた。
「頂点に立ったのは、群馬県のぐんまちゃんです」
中部国際空港の表彰式会場で名前と票数が読み上げられると大量得票にどよめきが起き、大きな歓声と拍手が湧き起こった。「おめでとう」。県内外のファンの祝福の声にステージ上のぐんまちゃんは手を振って応えた。
会場を訪れていた前橋市粕川町女渕、パート金井千秋さん(43)は昨年の大会をきっかけにファンに。ぐんまちゃんの帽子をかぶり、「うれしいの一言。色々な所に行くと思うので追いかけて行きます」と喜んだ。
念願のグランプリ獲得に向け、県は投票を呼びかけるチラシを約42万枚、ポスターを約1万7000枚作り、PR活動に力を入れた。
2位と大差が付いたインターネット投票終了後も油断はなかった。今回から導入された決選投票対策として、県は10月下旬、名古屋市内の大学の学園祭や百貨店などで投票を呼びかけるチラシを配った。
1~3日の決戦投票期間中も中部国際空港の会場で1日4回写真撮影に応じたり、投票箱を持って会場を巡回したりした。決戦投票締め切りの3日午後1時までブース前には二重、三重の人の輪ができ、他のゆるキャラが「御利益」をもらおうと記念撮影に来る場面もあった。

【ぐんまちゃん家で号外を貼り出す県職員(3日、東京・銀座で)】
県ぐんまイメージアップ推進室の堀越正勝室長(51)は「最後までどきどきしていたが、ほっとした。昔からのファンだけでなく、新しいファンも増えたことがグランプリにつながった」と興奮を抑えきれない様子だった。
県は、10月に発表された「地域ブランド調査2014」の「魅力度」ランキングで47都道府県中46位と低迷した。県企画部の笠原寛部長(59)は「群馬には魅力的な素材がたくさんある。『宣伝部長』のぐんまちゃんを通じて魅力をPRしていきたい」と意気込んだ。(蛭川裕太)
・知事「大変うれしい」
「ぐんまちゃん」のグランプリ獲得を受け、大沢知事は「『富岡製糸場と絹産業遺産群』の世界文化遺産登録に続き、県にとって大変うれしいニュース。今後もぐんまちゃんに宣伝部長として活躍してもらい、群馬の魅力を積極的にPRしていく」とのコメントを発表した。
・優勝報告会
県は5日午後3時から、県庁1階県民ホールで、ぐんまちゃんの優勝報告会を開く。ぐんまちゃんや、ぐんまちゃんを応援する県内のキャラクターとの撮影会も行われる。事前申し込みは不要。
・ぽんちゃん60位、ぐんケンくん71位
県内から「ゆるキャラグランプリ2014」に出場したキャラクターでは、館林市のマスコット「ぽんちゃん」が6万9987ポイントで60位(ご当地部門46位)と、「ぐんまちゃん」に次いで健闘した。
ぽんちゃんは、同市にある茂林寺の「分福茶釜」伝説にちなんだタヌキのキャラ。市は市制施行60周年にちなんで「60位以内」を目標に掲げ、イベントなどでPR活動を展開した。10月20日のインターネット投票締め切り時点の60位をキープし、目標を達成した。
・ころとんは80位
前橋市の「ころとん」は5万7081ポイントで80位(ご当地部門63位)と昨年の38位から順位を大きく下げた。決選投票の会場でのPRも行い、3日間で486ポイントを獲得したが、過去最多がエントリーする激戦となった今回は埋没してしまった。
「企業・その他」部門でエントリーした県建設業協会のマスコット「ぐんケンくん」は6万1547ポイントで71位。「企業・その他」では17位にランクインした。初出場だったが、建設業界挙げての支援が功を奏した。
・読売新聞号外を配布
ぐんまちゃんの優勝を記念し、オフィシャルメディアパートナーの読売新聞は3日、号外約6万8000部を発行した。
JR高崎駅の駅ビル「イーサイト高崎」(高崎市八島町)2階にある県公認ショップ「ぐんまちゃんSHOP」や土産物売り場では、1000部の号外を配布。通行人らは「良かった」などと言いながら笑顔で受け取っていた。前橋市の小学2年蜂巣璃乃さん(7)は「お父さんも投票していたので優勝してうれしい」と喜んだ。
・ぐんまちゃん家 号外を貼り出す
一方、東京・銀座のぐんまちゃん家ではショーウインドー一面に号外が貼られ、記念写真を撮る人も。夕方には優勝記念イベントも行われ、約100人がくすだまを割って祝った。4~16日は記念セールを開催し、一部商品を3割引きにしたり、1000円の買い物ごとに100円の補助券をプレゼントしたりする。
2014年11月5日(YOMIURI ONLINE)